ベンチャー企業のジーンアイドル(東京都千代田区)は6月10日、AIを活用して架空のアイドルの顔画像を自動生成できるサービス「A.I.dols Codebase」のβ版をリリースした。ブロックチェーン技術も活用し、生成したアイドルとユーザーの情報をひも付けて管理できる点が特徴。ゆくゆくは、架空のアイドル同士がユニットを組んでオリジナルソングを歌い、バーチャルYouTuber(VTuber)としてライブ活動を行えるようにする。
β版の利用料は無料。当初は顔画像の生成機能の他、架空のアイドル同士を合成し、特徴を受け継いだ新たなアイドルを生み出す機能などを利用できる。
アイドルの生成には、画像を生成するAIと画像を評価するAIを“敵対”させ、精度を向上させる技術「GAN」(Generative Adversarial Network:敵対的生成ネットワーク)を活用している。画像生成用のAIは、実在するアイドルの顔写真を約20万枚学習しているという。
生成したアイドルの画像はブロックチェーン上でトークンとして取り扱う。ユーザーは、生成したアイドルを他のユーザーに譲渡したり、貸し出したりできるという。
正式版のリリース時期は未定だが、「β版で一定のテストを行った後、速やかにリリースする」という。プレイ料金は仮想通貨のイーサリアムなどで支払う形を想定する。
今秋には合成音声でせりふを読み上げる機能、今冬にはボディーを自動生成する機能、2020年にはアイドル同士が対話できる機能を追加する予定だ。
A.I.dols Codebaseをベースにしたアイドル育成ゲーム「Rosetta Stage」も開発中。定期的にオーディションを開催し、通過した仮想アイドルをVTuberなどとしてデビューさせる内容を想定しており、生成したオーナーには報酬を支払うという。
開発元のジーンアイドルは、京都大学発ベンチャーのデータグリッド、スイスのブロックチェーン関連企業ICOVO AG、ゲームアプリ制作などを手掛けるアマツの3社が共同で4月に設立した。
AIでキャラクターを自動生成する取り組みは、ベンチャーのPreferred Networksも提供している。同社もブロックチェーン技術を応用し、キャラの生成・合成履歴とユーザーをひも付けて管理する仕組みを整えている。
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