クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向

マツダの決算 減収減益の中で好内容池田直渡「週刊モータージャーナル」(1/6 ページ)

» 2020年06月01日 07時00分 公開
[池田直渡ITmedia]

 5月14日。マツダのオンライン決算発表が行われた。販売台数ダウン、減収減益という中で、決算内容そのものは課題だけでなく、光明が見えるものだった。

 まずは総括からだ。販売台数は昨年の156万1千台から141万9千台へと14万2千台(9%)ダウン。売上高は、3兆5642億円から3兆4303億円へと1339億円(4%)ダウン。営業利益は823億円から436億円へと387億円(47%)ダウン。そして、ここ数年の課題である売上高営業利益率は、前年の2.3%から1.3%へ1.0ポイントダウンした。

マツダ決算の概況

販売台数の課題

 ちなみに、今期の決算においては、新型コロナの影響でマツダだけでなく、自動車市場そのものの需要の落ち込みがある。こういうケースではそれを加味しないと実力が測定できない。市場全体の動向を「全体需要」とか「全需」といったりする。コロナによる「向かい風参考記録」的なシチュエーションでは全需の落ち込みがどの程度あるのかが分からないと、決算の出来が判定しにくい。

 筆者はそれを台数ベースで見て5%程度と踏んでいる。論拠の詳細は過去の記事を参照されたし(「象が踏んでも壊れないトヨタの決算」参照)。利益など財務指標については、損益分岐点をどの程度超過しているかによるので、全需との関係性は間接的なものになる。

 という前提条件を当てはめて見ると、マツダの場合は全需に対して台数のダウン影響が大きい。つまりコロナの影響を除いても売れていない。

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