IFAの業界団体、ファイナンシャル・アドバイザー協会が本格稼働 17社加盟

» 2020年05月29日 14時09分 公開
[斎藤健二ITmedia]

 独立系金融アドバイザー(IFA)の業界団体、ファイナンシャル・アドバイザー協会が本格稼働を始めた。同協会は1月に設立、4月に発足し、5月29日にはWebページを開設。仲介会社の加入状況などを公開した

開設されたファイナンシャル・アドバイザー協会のWebページ

 協会に加入した仲介会社は全17社。合計で約650人のIFAが所属しており、「日本のIFAは約4000人。そのうちの2割が所属する事業者が会員となっている。地域も全国に分散しており、相応の規模からスタートできた」と、理事長の中桐啓貴氏(正会員でもあるGAIA社 社長)は話した。顧客数の合計は10万口座、投資信託の預かり残高は1800億円強に及ぶという。

 IFAとは、証券会社に所属せず顧客に運用を助言する営業員を指す。ネット証券は独自の営業員を持たないが、IFAと連携して運用助言を進めてきた。ファイナンシャル・アドバイザー協会でも、SBI証券や楽天証券など証券会社7社が、委託正会員として参加し、協力する。

 こうした背景の中、国内のIFA人数は拡大を続けているが、独立系のアドバイザーが主流の欧米に比べると、まだ主流にはなっていない。「個人のみなさんへの資産運用アドバイスのニーズは高い。小規模な会社が多く認知度が低いため、欧米に比べると出遅れている。そうした課題を解決していきたい」(中桐理事長)

 IFAにおいては、回転売買などを助言するなどの顧客との利益相反が課題の一つといわれている。協会では、参加希望の事業者を審査する中で、定性、定量的にチェックしていくほか、「回転売買などがないということを、モニタリングして、顧客本位の業務運営をしているところを増やしていきたい」(中桐理事長)とした。また各業者が、顧客からどのくらいの手数料をもらっているかを見せるなど、透明性の確保にも務めていくという。

協会に参加する仲介会社一覧

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.