世論誘導? ステマ関与? 一部SNSで拡散したデマにランサーズが反論緊急事態宣言後に発生

» 2020年04月09日 13時23分 公開
[ITmedia]

 「ランサーズによるネット工作では?」――4月7日夜、緊急事態宣言に伴い安倍首相が記者会見を実施。この記者会見に関して、「コロナウイルスは怖いけど、首相の声を聞いたら元気が出た」という趣旨のツイートが一斉に拡散したことを受けて、冒頭のような“邪推”が一部SNSで広がった。

 ランサーズは、クラウドソーシングの発注側と受注側を仲介するサービス。過去に、政治系記事に関する案件を巡り、「特定の候補者または政党に対しての誹謗中傷および、世論誘導につながると判断できるお仕事依頼」に関しては掲載しないことを発表し、話題となった。

【参考】ランサーズ公式Webサイト「政治系記事案件の掲載中断について」(2017年10月27日公開)

 また、最近でも「よく考えると新型コロナに感染している人はあまりいない」という内容のツイートが一斉に拡散したことや、2月下旬にランサーズの社長が安倍首相と会食をしていることから、政府系のプロパガンダとしてランサーズが使われているのではないか、と疑う人が出てきているようだ。

ランサーズ公式Webサイト

 これを受けて、ランサーズ社は4月8日夜、「一部ソーシャルメディアでの発信及び事実無根の記載に対する今後の法的対応等について」と題したメッセージを発表した。メッセージでは、ランサーズ経由で発注された案件であることを否定するとともに、「当社自身が行っていると憶測されるような事実無根の記載(デマ)がなされていますが、そのような事実は一切ございません」と記載している。

ランサーズ社が発表したメッセージ(出所:ランサーズ社公式Webサイト)

 また、ステルスマーケティングは利用規約で禁止しており、人工知能などで案件を全件チェックして、不適切と判断したものは掲載を即時中断しているという。

 今回のデマについては、ランサーズのサービスに関して誤解を与える可能性が高く、風評被害も発生していることから、「刑事告訴ならびに裁判上の手続も含めた法的対応等の断固たる措置」をとっていく考えを示した。

ランサーズの利用規約(一部)。ステルスマーケティングなどに該当する行為を禁じている(出所:ランサーズ社公式Webサイト)

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