スバルは17日間停止 大手自動車工場が動かない4月、国内モノづくりの先行きは不透明新型コロナで需要縮小

» 2020年04月01日 11時36分 公開
[加納由希絵ITmedia]

 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による影響が、国内の製造業に大きく広がっている。大手自動車メーカー各社は4月、数日間から数週間にわたって国内生産を一時停止する。世界的に車の需要が落ち込んでいることに加え、必要な部品の調達が困難になっているからだ。大手メーカーの自動車製造には、中小企業を含めて膨大な数の企業が関わっていることから、今後の経済活動に影を落とすことになりそうだ。

スバルの主力SUV「フォレスター」

 4月1日、SUBARU(スバル)が国内外の生産工場の操業を一時停止すると発表。国内では、群馬製作所の本工場と矢島工場(完成車工場)、大泉工場(エンジン・トランスミッション工場)を4月11日〜5月1日の期間に停止する。停止日数は17日間に及ぶ。再開は大型連休後の5月11日になる見通しだ。

 これまでに、大手自動車メーカーが国内工場での生産を一時停止する予定を続々と発表している。トヨタ自動車は4月3日から、愛知県の高岡工場や田原工場など、国内5工場の計7ラインで稼働を一時停止。停止日数は3日間〜9日間で、工場によって異なる。

 すでに操業停止期間に入っているのはマツダ。広島県の本社工場と山口県の防府工場で3月28日〜4月30日の期間、13日間は稼働を休止し、8日間は昼勤のみの稼働とする。一部の操業は7月以降に振り替える計画だという。三菱自動車で軽自動車の組み立てを行っている水島製作所第1組立ラインでも、3月27日から生産を休止。4月10日までの予定だ。

マツダ「MAZDA3」

 日産自動車は国内3工場で生産調整を実施。4月3日〜5月1日の期間に、神奈川県の追浜工場で4日間、栃木工場で14日間の車両生産を停止。日産自動車九州は4月中を昼勤のみの稼働とし、5月1日は休止する。

 ホンダは、現時点では2日間のみ稼働停止を決めている。埼玉製作所狭山工場の完成車ラインを4月16〜17日、熊本製作所の二輪完成車ラインを4月13〜14日に休止する。

 スズキは4月1日から、国内の5工場全てと製造子会社の操業を停止した。期間は4月3日までの3日間だが、6日以降については「状況などを見極めた上であらためて判断する」という。ダイハツ工業も3月31日、工場1カ所の操業停止予定を発表。滋賀(竜王)第2工場を4月13〜21日に7日間停止する。

 日銀が4月1日に発表した全国企業短期経済観測調査(短観)では、大企業・製造業の業況判断指数がマイナス8となり、前回(2019年12月調査)のゼロから大幅に悪化した。マイナスになるのは7年ぶりとなる。さらに、「自動車」の指数はマイナス17に悪化している。大手自動車メーカーでは、国内だけでなく、米国や欧州など海外工場を稼働できない状況にも陥っており、今後の影響は見通せない。

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