Web会議サービス「Zoom」のユーザーデータがユーザーに無断で米Facebookに転送されていた件で、同サービスを運営する米Zoom Video Communicationsを相手取った集団代表訴訟が起こされた。データ転送について最初に報じた米MOTHERBOARDが3月30日(現地時間)、訴状を添えて報じた。
原告は、Zoomがデータの転送についてユーザーから同意を得なかったのは、米カリフォルニア州のデータ保護法に違反すると主張する。
この問題は、MOTHERBOARDのジョセフ・コックス記者がZoomのiOSアプリをレビュー中に気付いたとしてZoomに連絡し、26日に報じた。Zoomはこれを受けて公式ブログで、iOSアプリでサービスにFacebookアカウントでログインできるようにする目的で「Facebook SDK」を採用したため、意図せずユーザーデータを転送してしまっていたとして、Facebook SDKの採用をやめたと発表。Facebook SDKを採用していない最新バージョンにアップデートするようユーザーに呼び掛けた。
原告は、ZoomはFacebokに既に渡ってしまったデータを削除したかどうかも保証していないと主張する。
FacebookがこのSDKで収集するデータは、ユーザーのIPアドレス、iOSのタイムゾーン、iOSのバージョン、使用言語、使用端末の機種、通信キャリア、広告主IDなど。
Zoomは29日に公式ブログで、ユーザーのプライバシーとセキュリティが同社の最優先事項だとあらためて主張した。Zoomは過去にユーザーデータを販売したことはなく今後もしないこと、会議を監視したりせず、会議の主催者が保存しない限り、会議とそれに関連するデータを保存しないことなどを説明した。
新型コロナウイルス感染症対策でテレワークを強いられる人が増える中、Zoomの利用者は急増している。米調査会社App Annieによると、新型コロナのパンデミック認定後の3月第2週のZoomアプリのダウンロード数は昨年第4四半期の週平均の数十倍に上ったという。
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