#SHIFT

「経営者目線」より「第三者目線」を ブラック企業とみなされる5つのチェックポイント連載・あなたの会社は大丈夫? 求職者に「ブラック企業」と思われないために(1/8 ページ)

» 2020年03月31日 05時00分 公開
[新田龍ITmedia]

連載:あなたの会社は大丈夫? 求職者に「ブラック企業」と思われないために

 求職者があなたの会社を知り、実際にアプローチするまでにはいくつかの段階を経ることになる。具体的には「求人広告を見る」「インターネットで調べる」「会社説明会やセミナーに参加する」「企業訪問する」「面接を受ける」「内定を得て、入社を待つ」といった流れになるわけだが、その段階別に、求職者目線から「ブラック企業認定ポイント」を検証していき、企業が知らず知らずのうちに「ブラック企業」と思われないような対策を講じるヒントにしてほしい。

 新卒採用シーズンを迎えるにあたって、求職者が「この会社、ブラック企業かも……」と思うポイントを紹介するこの連載。初回は、良かれと思って工夫した宣伝文句が、受け手にはネガティブに捉えられ、全くの逆効果になってしまうポイントを列挙した。第2回は、求職者と企業が直接かかわる、「会社説明会」や「会社訪問」でのチェックポイントを紹介し、前回は、面接において、求職者が感じ取る「ブラック企業判定ポイント」を紹介した。

 最終回となる今回は、「補遺」として、社内からは見過ごされがちだが、外部から見たら「ブラック企業」だと判断されるポイントを紹介していこう。

【連載第1回】美辞麗句で求職者は騙せない! アピールのはずが「ブラック企業かも」と思われてしまう求人広告の特徴

【連載第2回】「デスクでランチ」が多い会社はブラック企業!? そこかしこに潜む、「ブラック企業認定」のリスク

【連載第3回】面接で「してはいけない質問」、知っていますか? 「思想・信条・宗教」だけではない、いくつものタブーとは

「そんな取り組みは●●だからできるんだよ!! ウチは特殊なんだ!!」

「ウチは昔からこのやり方だけど、何も問題ないぞ!!」

「これくらい、ウチの業界では当たり前なんだけど!?」

 新型コロナウイルスの感染拡大で注目を浴びることとなった「テレワーク」の推進や「働き方改革」の実践といったテーマの記事についている、「読者コメント欄」を眺めるのが楽しい。

 記事中では旧来型の企業の「残業に頼る働かせ方」や「いつまでもシステム化せず手作業を続ける事務作業」「給与金額よりも『やりがい』を報酬とする考え方」……などがやり玉に挙げられ、抜本的な見直しが提言されている。それに対して冒頭のようなコメントが寄せられ、高評価がつけられているコメントを流し読みしていくことで、いわゆる「マス」の反応を感じとることができるからだ。反響が多い意見をまとめると、

「働き方改革やリモートワークなんて、お金があって優秀な社員がいる会社だからできること! 地方の中小企業で潤沢な資金もないわが社には関係ないし、周囲も同じようなものだ!」

ということのようである。

「ウチは無関係だから」で済む話ではない(出所:ゲッティイメージズ)

 改革を進めるのも、そもそも着手しないのも、各社の自由だ。抜本的にビジネスや組織を見直すのは大変だし、現場の反発や売り上げの一時的な低下など、生みの苦しみもあるだろう。しかし、改善を施さないままで現状を放置したらどうなるか。確実にこうなる。

★何も変えず、残業に依存した働き方を続ける

↓従業員が疲弊し、生産性も低下する

↓労働環境や待遇が良好な会社に従業員が移り、残った社員にシワ寄せがくる

↓「あの会社の労働環境は劣悪」とのうわさが広がり、新たな採用も困難になる

↓商品やサービスのクオリティーも下がり、市場での評判も悪くなる

★お客さんも離れて、商売が続けられなくなる


 世間で「人手不足」と騒がれ始めてしばらくたつが、地方の無名中小企業であっても危機意識が強い会社は普段から布石を打っているため、あまり影響を受けてはいない。むしろ、本来もっと危機意識をもつべき無策の会社ほど改善には無関心で、結果的に「人手不足の状況へと自ら飛び込んでいっている」というのが現状だ。

       1|2|3|4|5|6|7|8 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.