「Fire OS」だけではない「Android代替OS」5選 あなたは幾つ知っている?充実するAndroidの代替OSとカスタムUI【前編】

「Android」からの乗り換えを狙う代替OSが充実してきた。どのようなOSがあるのだろうか。代表的な5つを紹介する。

2020年03月13日 08時15分 公開
[Jack GoldTechTarget]

関連キーワード

OS | Android | Google


 主要なモバイルOSであるGoogleの「Android」。これに対抗しようとする代替OSが出てきている。こうしたAndroid代替OSは、企業がAndroidやAppleのモバイルOS「iOS」からの乗り換えを検討するに足る優位性を実現しているのだろうか。

 企業はユーザーエクスペリエンス(UX:ユーザー経験価値)や生産性、管理性が向上する大きな機会を見いださなければ、モバイルユーザーの大部分が使うAndroidから移行しようとしない。Androidの代替OSが、Androidから顧客を奪う可能性はゼロではない。ただしAndroidは長らく支配的な市場シェアを獲得しており、代替OSは苦戦を免れない。

 前中後編にわたり、主要なAndroidの代替OSと、Android標準のユーザーインタフェース(UI)を置き換えるカスタムUIを一挙に紹介する。その中には、Androidと互換性があるOSや、Androidの派生OSも含む。前編に当たる本稿は、主要なAndroid代替OSを5種取り上げる。

目次

  • Fire OS
  • HarmonyOS(会員限定)
  • KaiOS(会員限定)
  • PostmarketOS(会員限定)
  • Sailfish OS(会員限定)

Fire OS

 Amazon.comの「Fire OS」は、Androidをベースにしながらユニークな機能を備える。Google Playストアで配布される標準的なAndroidアプリケーションは利用できない。Amazon中心のスタンスが強く、同社の公式アプリケーションストア「Amazon Appstore」(Amazonアプリストア)と、さまざまなAmazonコンテンツの利用に主眼を置いている。

HarmonyOS

会員登録(無料)が必要です

 Huawei Technologiesは「HarmonyOS」により、モノのインターネット(IoT)アプライアンスからスマートフォンまで幅広いデバイス向けのリアルタイムOSを再発明しようとしている。HarmonyOSは現在、開発の途上にある。

 昨今の政治情勢から、HuaweiはAndroidのフル機能を使用できない。現在、同社は自社製スマートフォン「HUAWEI Mate」に、HarmonyOSではなくAndroidのオープンソース版を搭載し、同社のカスタムUI「EMUI」を動作させている。これらのデバイスでは、Googleの公式アプリケーションストア「Google Playストア」を使ったアプリケーションのダウンロードができない。

KaiOS

 「KaiOS」は、開発・提供が打ち切られたMozillaの「Firefox OS」をベースにしており、「スマートフィーチャーフォン」にうってつけのOSだ。2000年代初めから半ばにかけて販売されたスマートフィーチャーフォンは、フィーチャーフォン(従来型携帯電話)と同様の筐体を持ち、スマートフォンと同様のアプリケーションが稼働する。最新のスマートフォンと比べると利用できる機能は限定されるものの、シンプルな使い勝手のモバイルデバイスだ。KaiOSを使えば、こうしたデバイスでもアプリケーションストアを利用したり、4G(第4世代移動通信システム)による通信をしたりできる。

PostmarketOS

 「PostmarketOS」は、Linuxディストリビューションの「Alpine Linux」をベースにした無料のオープンソースOSだ。古いモバイルデバイスの寿命を延ばすために、サポートが終了した古いOSの代わりに使うことを想定している。

Sailfish OS

 「Sailfish OS」は、フィンランド企業のJollaが開発、提供している。JollaはNokiaと「MeeGo」というOSにルーツがある。MeeGoは、Nokiaが開発を中止したモバイルOSだ。JollaはSailfish OSを搭載する自社ブランドのスマートフォンを販売しており、Sailfish OSは中国、インド、ロシアといったBRICs諸国で認知、採用されている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

新着ホワイトペーパー

製品資料 TeamViewerジャパン株式会社

ITサポートチームのパフォーマンスが向上、AIを活用したセッションインサイト

ITサポートの現場では、ITオペレーションの効率を高めることが課題となっている。そこで、あるリモート接続基盤に搭載されたセッションインサイト機能を紹介。AIを活用した機能も備え、ITサポートチームのパフォーマンスを向上させる。

製品資料 TeamViewerジャパン株式会社

リモートアクセス導入の問題を解消、専門家の支援が受けられるサービスとは?

リモートアクセスを取り入れる企業が増えている。しかし、ネットワーク設定やセキュリティ対策が適切に実装されなければ、導入後に非効率やセキュリティリスクを招く可能性もある。このような問題を一掃するにはどうすればよいのか。

事例 Jamf Japan 合同会社

BYOD時代のIT統制強化術、事例で学ぶ安全なAppleデバイス管理

ソフトバンクロボティクスでは、働き方の変化や海外拠点の増加に対応する中で、ゼロトラストセキュリティを前提としたグローバルレベルのIT統制が必要となった。Appleデバイスを業務利用する同社は、どのようなアプローチを採用したのか。

製品資料 Jamf Japan 合同会社

MDM活用における12の困りごと:iPhoneやiPadを適切に管理するには何が必要?

業務用モバイルデバイスの管理にMDMツールを使う企業は多いものの、iPhoneやiPadの管理に関しては、限られたインベントリ情報しか取得できない、UIが分かりにくい、などの課題も多い。そうした「12の困りごと」と、解決策を紹介する。

プレミアムコンテンツ アイティメディア株式会社

iPhoneやAndroidスマホを「ノートPC」に変える方法

スマートフォンの進化により、「ノートPCとの2台持ち」の必要性は薄れつつある。スマートフォンをノートPCとして使うための便利な方法を解説する。

アイティメディアからのお知らせ

From Informa TechTarget

「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ

「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ
ネットワークの問題は「帯域幅を増やせば解決する」と考えてはいないだろうか。こうした誤解をしているIT担当者は珍しくない。ネットワークを快適に利用するために、持つべき視点とは。

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...