醜い顔はNG? 事実であれば、TikTokはとんでもないことをしている世界を読み解くニュース・サロン(1/4 ページ)

» 2020年03月26日 08時00分 公開
[山田敏弘ITmedia]

 米左派系メディアのインターセプトが3月、こんなスクープ記事を掲載した。

 タイトルは「目に見えないセンサーシップ(検閲)」。副題には、「TikTok(ティックトック)が担当者に、新しいユーザーを獲得するために『醜い』見た目の人々や貧しい人たちの投稿は控えるように告げている」と、衝撃的なことが書かれている。

 インターセプトが入手した内部資料を見ると、確かに「アブノーマルな体型、太った人、ビール腹、肥満、または痩せすぎ」は「魅力的ではない」ために「おすすめ」の動画にすべきではないという。さらに「顔のつくりが醜い人」も対象で、「顔のつくりがヘンだったり、歯並びが悪かったり、歯がなかったり、しわくちゃの老人、顔に大きな傷がある人」や、「障害者」もおすすめすべきではないと「新しいルール」には書かれている。

 現代らしからぬ、あまりに酷い方針ではないか。TikTokは今、月に8億人が利用するかなり勢いに乗っている動画投稿サービスだけに、その衝撃は大きい。

 TikTokは直近でもいろいろとニュースをにぎわしている。例えば、新型コロナで学校が休校になっている日本で「#休校チャレンジ」というハッシュタグで動画をシェアする企画が盛り上がったと報じられている。また人気歌手のコブクロがライブ企画を配信して話題にもなっている。さらに最近、サービスを運営するバイトダンス(字節跳動)の日本法人が2月に日本経済団体連合会(経団連)に加盟したことが明らかになった。

バイトダンスが経団連に入会

 若者の間で人気が高まり、ビジネス的にも順風満帆に思えるTikTokが、冒頭のような文書を作り、少なくとも2019年末までそのルールを適応していたのは意外だと思うかもしれない。だが実は、それ以外にも、いろいろと物議を醸しているメディアなのはあまり知られていない。一体、何が問題視されているのか。

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