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「命に関わる児童虐待」AIで早期発見 児童相談の記録から解析 FRONTEOと練馬区が実験

» 2020年03月17日 15時16分 公開
[ITmedia]

 AIベンチャーのFRONTEOと東京都練馬区は3月17日、AIを活用した、児童虐待を早期発見するシステムの実証実験を4月から行うと発表した。練馬区が持つ児童相談の記録内容をAIで解析し、過去に一時保護に至ったケースの特徴を抽出。子どもの命に関わる重篤なケースを早期に発見し、適切な対応につなげるとしている。

photo 実証実験のイメージ

 練馬区子ども家庭支援センターが児童情報を管理する「児童家庭相談システム」の児童記録の中から、一時保護に至ったケースをFRONTEOのAIエンジン「KIBIT」(キビット)で解析。虐待の重篤化につながりやすい特徴を点数化することで、早期に対応が必要なケースの見極めや職員の経験に頼らない判断をサポートする。

 練馬区によると、育児やしつけ、養育困難といった多岐にわたる児童相談の件数は年々増加し、2018年度には過去最大の6402件になったという。「区の持つ知見とAIを活用することで、重篤化する可能性のあるケースを見逃すことなく、早期対応に向けた迅速な意思決定を目指す」(練馬区)としている。

 今後は実験結果を踏まえ、実用化を検討していく。

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