炎上「宇崎ちゃん」献血コラボ継続の影で、ラブライブのパネルが撤去されたワケ古田拓也「今更聞けないお金とビジネス」(1/3 ページ)

» 2020年02月21日 10時00分 公開
[古田拓也ITmedia]

 静岡県沼津市のJAなんすん(南駿)と人気アニメーションの「ラブライブ!サンシャイン!!」コラボが物議を醸している。JAなんすんは、ブランドみかんである「西浦みかん寿太郎」をプロモーションする目的で、ラブライブの登場キャラクターである高海千歌さんを起用した。

 2020年の1月には、ららぽーと沼津にて高海さんの起用を記念したパネルが展示されていた。しかし、「スカートの絵が透けて見える」という趣旨の抗議を受けて、当該パネルは2月16日に突然撤去されたのだ。

 女性のイラストに抗議が殺到するという構図は、日本赤十字社と人気漫画「宇崎ちゃんは遊びたい」がコラボした「献血ポスター」の事例が記憶に新しいだろう。これは、「キャラクターである宇崎ちゃんのポスターが、不必要に胸を強調している『環境型セクハラ』だ」という趣旨の抗議を受けて炎上した事例だ。しかし、日本赤十字社は2月に、引き続き「宇崎ちゃん」を起用した第2弾のコラボキャンペーンを開催しており、強気の姿勢を崩さない。

 一方で今回は、「コラボ自体は継続するがパネルは撤去する」という判断となった。SNSなどでは、この対応に賛否両論となっている。ジェンダー論は専門家に議論していただくとして、本稿では日本赤十字社側がなぜ抗議を受けても方針を変えず、JAなんすん側は抗議で方針を変えたのかをビジネス面から検討していきたい。

JAなんすんの特産品、西浦みかん(JAなんすんWebより)
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