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社内報の名前は「月刊はらわた」 ドンキ運営会社のPPIHが「幹部への文句」をそのまま掲載する理由求める人材像にもマッチ(1/3 ページ)

» 2020年02月14日 13時12分 公開
[昆清徳ITmedia]

 ドン・キホーテなどを運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)が社内コミュニケーションを強化しようとしている。2月6日の記者会見で、PPIHの吉田直樹社長は「(2019年に)社長に就任する前、グアムで創業者も含めた幹部らと合宿を行った。当社のマネジメントにおける最大の課題はコミュニケーションだという結論に至った」と明かした。

ドンキで培った理念を従業員と共有

 これまでは店舗数を増やし、規模を拡大し、マーケットシェアを獲得するという戦略を実行してきた。しかし、ユニーの完全子会社化が象徴するように、異なる価値観を持つ従業員が増えてきたため、従来のビジネスモデルを変える時期に来ていると考えるようになった。

 そこで、吉田社長も含めた幹部は部下とのコミュニケーションをとるために、自らに「20%ルール」を課しているという。これは、自分が働く時間の20%を部下の話を聞くために使うというものだ。自分の意見を伝える場ではないことがポイントのようだ。

社内報の「月刊はらわた」

 企業のビジョンや今後の方向性を従業員に伝えるにはどうするか? これはどの経営者も悩むテーマだ。PPIHの場合、社内報の「月刊はらわた」を活用しているという。

 広報担当者によると、月刊はらわたは09年5月に発刊され、月1回の発行を基本としているという。配布対象は海外も含む全従業員。翻訳の都合もあり、海外の従業員が全紙面を読めているわけではない。

 「はらわた」にはどんな意味があるのか。広報担当者は「自己実現や目標を成し遂げるために、紆余曲折しながらも努力を惜しまず、這い上がろうとする一念を表す言葉として、はらわたと名付けました」と回答した。

「はらわた」の概念とは?(出所:PPIH公式Webサイト)

 PPIHの公式Webサイトにも、はらわたに関する記述がある。中途採用の情報を紹介するページに「どういった人が活躍していますか」という質問がある。その回答として「一言で言うと【はらわた】をもった方です」としている。そして「これまでの自分が生きてきた人生と、はらわたの価値観がリンクする方は、ぜひ当社に入社して欲しいですね!」という文で結んでいる。PPIHにとって、はらわたというのは非常に重要な概念であることが伺える。

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