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「すごいカメラ」と「ヘンなカメラ」が存在感を示した2019年荻窪圭のデジカメレビュープラス(1/3 ページ)

» 2019年12月30日 07時00分 公開
[荻窪圭ITmedia]

 2019年。ますますデジカメが売れなくなったといわれた1年ではあったけど、発売された機種の数を数えてみると、前年よりちょっと増えてるのだよね。コンパクトデジカメは減ってミラーレス一眼が増えてる。各社がそこに活路を見いだしてるのは確かだ。

 というのはさておき、今年のカメラで印象的だったのは「すごいカメラ」と「ヘンなカメラ」が目立ったこと。

 完成度は高くてすごくいいんだけど強い個性がないカメラが埋もれちゃってもったいなさすぎるというくらい、印象的なカメラがいっぱい出てきたのである。

画質がスゴかった系

 スゴい系の筆頭はなんといっても富士フイルムの「GFX100」。35mmフルサイズより一回り大きなイメージセンサーを搭載して1億画素である。画素数を増やすのみならず、ボディ内手ブレ補正まで搭載して「1億画素で中判で手持ちでスナップを撮れる」という怖ろしいカメラだったのだ。

今年一番ビッグなカメラ「GFX100」。大きくて重いけどすごい

 これはスゴい。このクラスになると、スタジオでしっかりセッティングして撮ったりがっしりした三脚とともに撮影するってイメージがあったけど、まさかの手持ちでもなんとかOK(関連記事:1億画素の衝撃! 富士フイルム「GFX100」を試す)。

 2番目はソニーの「α7R IV」。とうとう35mmフルサイズで6000万画素だからね。この高画素でありながらAFも連写も速い。高画素だからちょっと連写遅いけどゴメン、的なエクスキューズがほとんどない。これもスゴい(関連記事:知ると欲しくなる危険なハイエンドカメラ、ソニー「α7R IV」)。

ソニーの「α7R IV」

 あと、画質で印象に残っているのは、35mmフルサイズではパナソニックの「S1R」とシグマの「fp」。APS-Cサイズではニコンの「Z50」だったかな。

超個性派系も登場

 驚きだったのがシグマの「fp」。

 Lマウントアライアンスに参加したので、早晩、何か出してくるなとは思われていたが、まさかのfpだったのだ。

新世代のミニマムミラーレス シグマ fp。四角くて可愛い

 その筋では、シグマなのにセンサーがFoveonじゃないとか、シグマなのにISO感度を上げて撮れるとか、Foveonじゃないのに画質はちゃんとシグマだ、とか散々な愛されようではあるんだが、シグマという会社、シグマが出している「dp Quattro」や「sd Quattro」という個性的なカメラを知らない人からしても、これはめちゃ個性的なのである。何しろこのクラスのカメラとしては珍しくメカシャッターを持ってないのだ。

 でも四角くて小さくて可愛くて手にすると程よい重量感があって「モノとして欲しくなる」。用途によってグリップを足したりリグにつけたり、fpをコアとしてシステムアップしていけるのも楽しいし、レンズキットの45mm F2.8を付けてスナップ撮影をすると写りはすごくキッチリしてて、シグマらしい描写力と発色を楽しめる。

 新しいカメラである(関連記事:一見ミニマム、実は3つの顔を持つシステムカメラ 「SIGMA fp」の変幻自在っぷり)。

 もう一つの超個性派として富士フイルムの「X-Pro3」を挙げたい。このシリーズは当初から、OVF(光学ファインダー)とEVF(電子ビューファインダー)のハイブリッドファインダー搭載ってだけでもマニアックなのだが、さらに背面モニターが裏返しという、モニターは必要なとき以外は見ないでねというメッセージが伝わってくる。

初代からこの撮影スタイルを崩さない「X-Pro3」

 フィルム時代ながらの、ファインダーを覗いて自分でセッティングして撮り、いちいち毎回撮った写真のチェックはしない、という使い方をしてね、というメッセージを感じる。

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