ロボアドに税金の自動最適化機能 THEOの独自性はどこか?(1/4 ページ)

» 2019年04月19日 14時15分 公開
[斎藤健二ITmedia]

 複数の企業がしのぎを削るロボアドバイザーサービスでは、新機能の追加が急ピッチで進んでいる。業界大手のWealthNaviでは、「DeTAX」という名称で税金の最適化サービスを提供しており、他社に比べて機能面での差別化ポイントとなっていた。

 今回、おかねのデザイン(東京都港区)もロボアドバイザーサービス「THEO」で税金の自動最適化サービスを提供すると発表した。「THEO Tax Optimizer」という名称で6月からサービス開始予定だ。どのような仕組みで、どんなメリットを提供するのか。お金のデザインに聞いた。

おかねのデザインの中村仁社長(左)と投資プラットフォーム責任者のマット・スチュワートボックス執行役員(右)

長期投資でもリバランスによって税金がかかる

 投資税制では、株価が上昇して含み益が出ても、ユーザーは税金を支払う必要はない。利益が出ている株式を売却し利益が確定したときに初めて、利益分に対して税金を払うことになる。THEOは長期・積立・分散での投資を基本としており、長期投資であれば基本的には最後に株式を売却したときに税金が発生するはずだ。

 ではなぜ税金の最適化機能が必要なのか。

 「THEOの『運用状況』で表示されるのは含み益なので、そこに税金が課されることはない。ただし、THEOは毎月リバランスをやっている。リバランスで一部の資産を売るとき、利益が出ている場合と損失が出ている場合がある。利益が出たら、税金の支払いが必要になる」(おかねのデザインの中村仁社長)

THEOのトータル・リターン画面。ここでプラスとなっていても、それは含み益なのですぐには課税されない

 定期的にリバランスを行い、ユーザーのポートフォリオの最適化を行うのがロボアドバイザーの特徴の一つ。一方で、リバランスのたびに利益や損失が確定しており、利益には税金がかかる。そのため税金にはユーザーの関心も高く、自動最適化が待望されていた。

タックス・ロス・ハーベスティングとタックス・ゲイン・ハーベスティング

 THEOのTax Optimizerは、どのような仕組みを取ったのか。

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