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LINEの「Clova Desk」が「スマートディスプレイありき」ではない理由体当たりッ!スマート家電事始め(1/2 ページ)

» 2019年03月19日 07時00分 公開
[山本敦ITmedia]

 LINEがAIアシスタント「Clova」(クローバ)に対応した新しいスマートデバイス「Clova Desk」を3月19日に発売する。本体に7インチのタッチスクリーン付き液晶ディスプレイを搭載しているが、LINEでは「スマートディスプレイありき、で開発した製品ではない」という。Clova Deskの開発を統括する中村浩樹氏と、Clova Deskで利用できるスキルやサービスの開発に携わっている​東俊介氏にその真意を聞いた。

LINE Clovaセンター スマートプロダクトチームの中村浩樹氏(写真=右)とLINE Clova企画室​ Clovaサービス企画チームの東俊介氏(写真=左)

 Clova Deskは、ディスプレイに天気や予定、電車の運行情報、LINEの新着通知などを常時表示したり、クックパッドのレシピや「Abema TV」の番組を視聴したりといったことができる。もちろんスマートスピーカーと同様、音声で質問すると音声と画面表示で返答する。しかも音声コマンドに対するレスポンスが良い。製品発表会で実際に試したところ、わが家のClova Friends miniとは別格という印象を受けた。

7インチ(1024×600ピクセル)のディスプレイを搭載したClova Desk。価格は2万7540円(税込、送料無料)

 中村氏は、「騒音環境下での音声入力に対する認識精度、反応速度ともに、他のClova搭載スマートデバイスに比べて最大約20%速い」と説明している。これはClova WAVEから継続的にソフトウェアの品質改善を図ってきた成果であり、さらにClova Deskではハードウェアも見直したという。

 7インチのディスプレイはサイズ感も良好だ。自宅で使っている2.5インチのAmazon Echo Spotよりディスプレイに表示された情報の収まりが良く、見やすい。Amazon Echo Spotに比べると大きいが、Amazon Echo Showに比べると場所を取らない。奥行きはもう少し短くしてほしいと思うが、音楽を聴くことを考慮すると、力強い音が出せるようにエンクロージャーの容積を確保するのは当然だろう。ただし、音質については会場のコンディションが整っていなかったので別の機会に評価したい。

奥行きは約10.5センチ

 筆者が注目した機能の1つは、3月中に予定されている機能アップデートでAbemaTVが見られるようになること。他社のスマートディスプレイにはない魅力だ。

AbemaTVやRadiko.jpに対応した

 YouTubeは内蔵の動画視聴専用Webブラウザを使って見られる。音声操作では、「ねえ、クローバ。動画ブラウザで猫の動画が見たい」、または「ねえ、クローバ。Youtubeで猫の動画が見たい」と話しかけるだけでよい。ブラウザを立ち上げ、YouTubeを起動するといったステップを踏まないで済むのは賢い。

動画視聴専用のブラウザでYouTubeも楽しめる

 LINEメッセージの送受信では、相手が送ってきたスタンプをディスプレイに表示する機能が付いた。こちらからスタンプを送ることができたらベターだが、それは発売時点では不可だという。無料のLINEビデオ通話・音声通話にも対応しているので、年頃のお子さんがいる家庭などはClova Deskを個室に置くと携帯電話料金を下げられるかもしれない。

LINEのビデオ通話も楽しめる
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