2018年のVDI(仮想デスクトップ)、IT担当者なら押さえておきたい4つのトレンド自社の環境にどう対応するか

新年を機に、VDIをけん引する4つの主要トレンドをチェックしていく。ユーザーエクスペリエンスやデータ集約型アプリケーションが、VDI分野で注目を浴びている理由が見えてくるだろう。

2018年01月16日 05時00分 公開
[Kelly M. StewartTechTarget]
これからVDIはどうなるのか《クリックで拡大》

 新しい年が動き出したこのタイミングで、2017年にVDI(仮想デスクトップインフラ)分野で起こった大きな動きを振り返ってみよう。VDIの4つのトレンドは、今後もこの分野の焦点となるからだ。

 こうしたVDIの主要トレンドを把握しておけば、自社の環境に求められる要件にタイムリーに対応していく上で役立つ。

1. モニタリングツールでUXを点検

 良好なユーザーエクスペリエンス(UX)はユーザーの生産性を高める。企業にとっては、これはVDIのROI(投資対効果)の向上につながる。ユーザーエクスペリエンスが貧弱な場合は、誰も仮想デスクトップを使おうとしなくなり、企業の投資が無駄になってしまう。

 適切なハードウェアとソフトウェアを組み合わせてVDIを運用している企業は、共有ワークロードでもユーザーに優れたパフォーマンスを提供する。こうしたハードウェアとソフトウェアには、例えば、ユーザーが行っている作業に最適化されたシンクライアントや、ユーザーの日々の業務を支援するタイプのアプリケーションなどが含まれる。

 VDIモニタリングツールは、IT担当者がVDIの動作状況全体を把握し、問題を迅速に特定、解決できるようにすることで、良質なUXの実現を支援する。

 多くのユーザーは、仮想デスクトップで経験している問題を説明できないため、VDIモニタリングツールは、UXを提供する上で重要だ。IT担当者は、ログインの集中によるハイパーバイザーの過負荷など、問題を特定するのにモニタリングツールを利用できる。

 2017年には、VDIモニタリングツールの大手各社が製品の機能強化を進めた。例えば、Liquidwareは同社のツールの最新版「Stratusphere UX 6.0」で、アプリケーションごとのGPUの使用状況に関する指標を導入した。

2. グラフィック集約型やデータ集約型アプリケーションに対応

 グラフィックスは、もはやパワーユーザーのためだけのぜいたく品ではない。拡張現実(AR)アプリケーションから、メッセージングアプリケーションのGIFチャットまで、全ての従業員がグラフィックスや大量のデータを使いたいと要求するようになっている。「Microsoft Office」のようなアプリケーションも、今ではグラフィックスアクセラレーションを利用している。

 VDI環境が高い処理負荷に対応できない場合、企業は、大部分のデータを処理できる高価なエンドポイントデバイスに投資しなければならなくなる。さもないと、システムのパフォーマンスが低下してしまう。

 VDIを運用する企業は2017年に、こうした流れを踏まえ、CPUをグラフィックスレンダリングから解放するGPU技術への投資を拡大し、VDI環境を調整した。GPUはデータセンターにおいて、アプリケーションの発行や、仮想デスクトップのシームレスな実行、リソース集約型アプリケーションを使用するハイエンドワークステーションをサポートする。

 グラフィック集約型およびデータ集約型のVDI環境には、適切なリモートディスプレイプロトコルも不可欠だ。優れたリモートディスプレイプロトコルは、レイテンシや競合を防止できる。

 VMwareは、ポート共有機能とセキュリティ証明書の追加により、同社のリモートディスプレイプロトコル「Blast Extreme」のセキュリティを強化した。ポート共有機能は、従業員が企業ネットワークの外部から1つのポートに接続できるようにすることで、ファイアウォールの負担を軽減する。

 Citrix SystemsとMicrosoftもリモートディスプレイプロトコルを提供しており、「Parallels Client」など、サードパーティーオプションも数多くある。

3. ハイパーコンバージドインフラが躍進

会員登録(無料)が必要です

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

隴�スー騾ケツ€郢晏ク厥。郢ァ�、郢晏現�ス郢晢スシ郢昜サ」�ス

事例 ニュータニックス・ジャパン合同会社

AIを活用した研究を支えるインフラを低コストで整備、キャンベラ大学の実現方法

AIや機械学習を基盤とするシステムを活用した、高度な研究を支えるインフラ整備が必要となったキャンベラ大学。だが負担が増大していたIT部門は、効率的な対応を行うことが難しかった。こうした中、同大学が採用したアプローチとは?

製品資料 株式会社シーイーシー

VMware製品のライセンス変更を契機に策定する、企業ITインフラの新戦略

VMware製品の永続ライセンスが廃止され、新ライセンスモデルが導入されたことで、多くの企業はITインフラ戦略の再検討を迫られている。本資料では、3つの選択肢のメリットとデメリットを整理し、最適な判断を下すための方法を紹介する。

製品資料 株式会社シーイーシー

vSphere環境からの移行術、AzureとNutanixによる柔軟なインフラ基盤構築を紹介

VMwareの体制変更を機に、IT基盤のクラウド移行を検討する組織が増えつつある。そこでMicrosoft AzureとNutanixを活用した柔軟なインフラ基盤の構築方法や、実際の成功事例を解説。VMwareからの移行を検討中の担当者はぜひ確認してほしい。

技術文書・技術解説 ニュータニックス・ジャパン合同会社

ベンダーロックインを伴わずに、優れた仮想化テクノロジーへ移行する方法とは

仮想化環境の移行は、チームがどれだけ高いスキルを有していても困難を伴う。「今の環境と同じ機能を利用できるか」などのチェック事項も多い。そこで、ベンダーロックインを伴わずに、優れた仮想化テクノロジーへ移行する方法を紹介する。

製品資料 ニュータニックス・ジャパン合同会社

VMwareによる仮想化環境からの移行を簡素化する方法とは?

IT環境の多様化・複雑化に、VMware買収の話が加わって、組織のIT担当者の悩みは増える一方だ。このような状況において、管理運用の簡素化とリスクの軽減をどのように実現すればよいだろうか。

アイティメディアからのお知らせ

郢晏生ホヲ郢敖€郢晢スシ郢ァ�ウ郢晢スウ郢晢ソスホヲ郢晢ソスPR

From Informa TechTarget

「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ

「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ
ネットワークの問題は「帯域幅を増やせば解決する」と考えてはいないだろうか。こうした誤解をしているIT担当者は珍しくない。ネットワークを快適に利用するために、持つべき視点とは。

2018年のVDI(仮想デスクトップ)、IT担当者なら押さえておきたい4つのトレンド:自社の環境にどう対応するか - TechTargetジャパン 仮想化 隴�スー騾ケツ€髫ェ蛟�スコ�ス

TechTarget郢ァ�ク郢晢ス」郢昜サ」ホヲ 隴�スー騾ケツ€髫ェ蛟�スコ�ス

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...