クラウドストレージ利用調査 企業の過半数がAWSを選ぶ理由は?2019年までに半分以上のデータがクラウドへ

企業がクラウドストレージ導入に踏み切る主な理由は、バックアップ、アーカイブ、災害復旧、コラボレーション用のストレージ容量の確保だ。

2018年02月07日 05時00分 公開
[James Alan MillerTechTarget]

関連キーワード

Amazon S3 | クラウドストレージ


 クラウドストレージの導入が着実に増加しているのは驚くことでもない。だが、導入は予想以上に急速に進む可能性がある。2017年、Teradataは企業幹部を対象に調査を実施した。この調査によると、2019年までにビジネスに不可欠なデータの半分以上(IT関連データの56%、顧客データの53%、金融データの51%など)がクラウドストレージに保管されることになるという。

 TechTargetの調査でも、企業の23%がデータストレージの総容量の半分以上をクラウドストレージに保管し、93%の企業が何らかのデータを同様にクラウドストレージに保存していることが明らかになっている。回答企業の3分の1近くが「Amazon Web Services」(AWS)の「Amazon Simple Storage Service」(Amazon S3)のようなクラウドストレージを利用している。また、21%がエンタープライズファイルの同期/共有にクラウドを利用し、13%はバックアップに使っている。

 クラウドに保存するデータの量は、企業によって大きく異なる。回答企業が購入したクラウドストレージの総容量の平均は375TBだったが、1P(ペタ)B以上の容量を購入している企業も6.5%あった。50TB未満の企業が70%を占め、そのうち51%が10TB未満、残り19%が10TB~49TBだった。

クラウドストレージ導入を進める要因

 クラウドストレージの導入が増えているが、購入した容量は何に利用しているのだろう。実は、大多数の企業が、データの保護を目的にクラウドストレージを利用している。それ以外は、バックアップが60%、災害復旧が40%、アーカイブが同じく40%になっている。他にも、コラボレーションやファイル共有が41%、運用データのプライマリーストレージが34%、セカンダリーデータのニアラインストレージが16%となっていた。

《クリックで拡大》

 企業の4分の3近くが、クラウドストレージのコスト(容量への課金、トランザクション料金、転送料金など)がクラウドサービス購入の重要な検討事項であると答えている。また、移動中や保存時のデータの暗号化を挙げた企業も3分の1あった。サポートするプロトコル(Amazon S3、NFS、OpenStack、REST、WebDAVなど)が重要と答えた企業が5分の1、レイテンシやスループットが16%だった。他にもストレージサービスのバックアップサイトの数と場所、データ保持ポリシー、クラウドベースの復旧用仮想マシンのサポートが12%で同率5位を占めた。

《クリックで拡大》

 他のITサービスと同様、クラウドベンダーは、契約を得るためサービスの価格を下げることが多い。全く割引を受けていない企業も29%あったが、プロバイダーから月額料金の9%の割引を受けている企業が8.7%、10~24%の割引が13%、25~49%の割引が4%あった。こうした割引に加え、調査対象企業の8%がプロバイダーから追加の特別割引を受けている。

《クリックで拡大》
会員登録(無料)が必要です

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

譁ー逹€繝帙Ρ繧、繝医�繝シ繝代�

製品資料 さくらインターネット株式会社

国内DCで日本語サポートも、為替変動リスクにも強い国産クラウドの魅力を解説

オンプレミスからの脱却や為替変動リスクなどの理由から国産クラウドのニーズが高まっている。中でも注目したいのが、国内利用を前提としたサービス設計やシンプルな料金体系、高い耐障害性、多彩な連携機能などを持つクラウドサービスだ。

製品資料 株式会社ハイレゾ

GPUのスペック不足を解消、生成AIやLLMの開発を加速する注目の選択肢とは?

生成AIの活用が広がり、LLMやマルチモーダルAIの開発が進む中で、高性能なGPUの確保に問題を抱えている企業は少なくない。GPUのスペック不足を解消するためには、どうすればよいのか。有力な選択肢を紹介する。

技術文書・技術解説 アイティメディア広告企画

AI活用基盤にクラウドを選ぶこれだけの理由と企業がはまる“落とし穴”とは

企業におけるAI活用基盤の整備が急務となっている。そのAI活用基盤の最有力候補となるのが「クラウドサービス」だ。では、AI活用基盤としてクラウドを選ぶ理由はどこにあるのか。そこに“落とし穴”はないのか。

技術文書・技術解説 アイティメディア広告企画

脱クラウドを招く“3大問題”とオンプレミス回帰に必要な“3大コスト”とは?

一度クラウドサービスに移したシステムをオンプレミスインフラに戻す「脱クラウド」は、なぜ起こるのか。実際にオンプレミス回帰に踏み切る際には、どのようなコストが発生するのか。専門家の声を基にまとめた。

市場調査・トレンド アイティメディア広告企画

クラウドをやめて「オンプレミス回帰」する企業続出 後悔しない見極め方は?

システムのパブリッククラウド移行が進む一方で、パブリッククラウドからオンプレミスに戻る「オンプレミス回帰」を選ぶ企業が相次いでいる。背景には何があるのか。パブリッククラウドとオンプレミスシステムの違いとは。

アイティメディアからのお知らせ

From Informa TechTarget

なぜクラウド全盛の今「メインフレーム」が再び脚光を浴びるのか

なぜクラウド全盛の今「メインフレーム」が再び脚光を浴びるのか
メインフレームを支える人材の高齢化が進み、企業の基幹IT運用に大きなリスクが迫っている。一方で、メインフレームは再評価の時を迎えている。

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...