AppleによるiPhoneシリーズ最上位機種「iPhone X」に採用した顔認証システム「Face ID」は、スマートフォン向けセキュリティを変革するインパクトを持つ。その仕組みと社会への影響について、専門家に聞いた。
Appleは、従来の指紋認証システム「Touch ID」に代わり、新たな顔認証システム「Face ID」を発表した。Appleによれば、顔認識は、指紋認証に比べて誤認識を20分の1に減らすことができるという。
同社は2017年9月、新たにiOS搭載スマートフォンの新機種「iPhone 8」「同 8 Plus」と共に、最上位モデル「iPhone X」を発表。iPhone Xは、従来スマホ向けセキュリティの“究極の標準”だった指紋認証のTouch IDに変わり、Face IDによる顔認証を初めて採用した。
カルフォルニア州クパチーノの新拠点Apple Parkで開催したイベントで、Appleのワールドワイドマーケティング担当シニアバイスプレジデントであるフィル・シラー氏は、「新たなカメラシステム『TrueDepth』でFace IDを構築した」と語った。Face IDは、通常のカメラや赤外線カメラ、深度センサーに加え、ユーザーの顔に3万点の赤外線ドットを投射するドットプロジェクターを活用してユーザーの顔をスキャンし、数学的モデルを作成する。
iPhone Xの内蔵する新型チップ「A11 Bionic」搭載のニューラルエンジンは、こうして作られた“顔モデル”を解析。過去に作成したモデルと比較する。Face IDは、機械学習を活用し、ユーザーの髪形やひげの生え具合、眼鏡の有無など、外見の変化も認識する。iPhone Xは、こうした情報を同デバイス内のセキュリティアーキテクチャ「Secure Enclave」に格納し、iCloudには送信しない。
シラー氏は、ユーザー以外の人間がTouch ID経由でiPhoneのロックを解除できる確率が5万分の1だった点と比較して、Face IDがユーザー以外の人間の顔をユーザーとして認識してしまう“誤認”率が100万分の1に縮小した点を指摘し、「Face IDは、Touch IDに比べて20倍のセキュリティ改善を達成した」と語った。Face IDの誤認率は、ユーザーと同じDNAを持つ人物を対象にした場合、若干高くなるという。ただし、シラー氏は、「Face IDは、ユーザー本人に成り済まそうとする人物を見分けられるはず」と強調した。
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