モバイルアプリ開発基盤を導入する時、開発しやすさを一番に求めたくなる。だが、モバイルアプリを使ったビジネス展開をどうするかで考慮すべき点は大きく変わる。本稿では7つのポイントに絞り紹介しよう。
何種類ものデバイスで利用されるアプリを効率よく構築し、導入できるように、多くのベンダーがモバイルアプリ開発基盤(MADP)を提供するようになった。MADPの数が非常に多いため、各製品の違いや自社に最適な製品がいつも明確だとはかぎらない。
本稿では、MADPを評価する際に考慮すべき重要な7つの基準と、それぞれの基準で各製品がどのように差別化されるかを比較する。
最初に、各社のMADPがサポートするデバイスの種類を特定する必要がある。本稿で取り上げるベンダー7社の製品は、全てGoogleの「Android」とAppleの「iOS」を搭載するデバイスをターゲットにするネイティブアプリかハイブリッドアプリ、またはその両方を作成できる。デバイスはスマートフォンでもタブレットでも構わない。
開発基盤の違いは、これ以外にサポートするデバイスの種類になる。例えば、MADPを提供する米企業Konyの「Kony AppPlatform」は、Microsoftの「Windows」と、スマートフォンを製造、販売しているカナダ企業BlackBerryの「BlackBerry OS」を搭載するデバイスに加え、ウェアラブルデバイス用のアプリケーション開発も可能だ。さらに同開発基盤は、各デバイス向けのネイティブアプリ、ハイブリッドアプリ、Webアプリを作成できる。一方、MicrosoftとOracleの開発基盤は、上記以外にWindowsが加わるだけで、対応するのもネイティブアプリとハイブリッドアプリだけだ。
MADPを提供する米企業ProgressのMADPもMicrosoftやOracleと同様の対応範囲だが、MicrosoftやOracleが対応していないWebアプリ開発が可能だ。これに対し、アプリケーション開発基盤を提供する米企業Mendixが対応しているOSとデバイスの種類は基本的なものだが、ハイブリッドアプリとWebアプリの両方を作成できる。CRMシステムを販売する米企業Salesforce.comのMADPは、ネイティブアプリ、ハイブリッドアプリ、Webアプリに加えて、Microsoftの「Windows Phone」OSとウェアラブルデバイス用のアプリケーション開発が可能だ。
MADPを比べる場合、ベンダーが対応するデバイスの種類を変える可能性があることを念頭に置く必要がある。例えば、ウェアラブルデバイスをサポートするベンダーが増える可能性は高い。
ベンダー各社のアプリ導入オプションはそれぞれ異なるが、どのベンダーも基本的な方針としてクラウドインフラを用意している。ただし、Microsoft、Oracle、Salesforce.comなど、クラウドサービスを唯一の導入オプションにしているベンダーもある。
これに対し、Kony、Mendix、アプリケーション開発基盤を提供するポルトガル企業OutSystems、Progressの各社は、OutSystemsのプライベートクラウドに導入できるだけではなく、Microsoftの「Microsoft Azure」、クラウドサービスを提供する米企業Rackspaceの「Rackspace」、VMwareの「vCloud」といったパブリッククラウドもサポートする。オンプレミスに導入できるMADPツールを提供するのは、Kony、Mendix、Progressのみだ。
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多くの企業でオフィスDXが進む一方、現場にはアナログ業務が多く残りDXが進んでいない。現場DXを推進し、オフィスと現場のデータを活用するためにはどうしたらよいか。本資料では、ノーコード開発ツールを活用した解決策を紹介する。
工場や倉庫などの現場では、紙中心の業務が今も多く残っている。だが現場DXを進めようにも、人材や予算の不足、システム選定の難しさが障壁となっているケースは多い。この問題を解消する、モバイルアプリ作成ツールの実力とは?
ビジネスに生成AIを利用するのが当たり前になりつつある中、ローコード開発への活用を模索している組織も少なくない。開発者不足の解消や開発コストの削減など、さまざまな問題を解消するために、生成AIをどう活用すればよいのか。
急速に変化する顧客ニーズに応えるような適切な製品を継続的に提供するためには、より多くのアプリを生み出す必要があるが、そのための開発者が不足している。そこで注目されているのが、生成AIやローコード開発プラットフォームだ。
あらゆる組織は、従業員と消費者の双方に良質なエクスペリエンスを提供する義務を負っている。アプリ開発と高度な自動化は、この目的を達成するための有効策の1つだが、それぞれを適切に実装できなければ、むしろリスク要因ともなり得る。
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