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コード付き点字ブロック、カメラで読み取り音声案内 金沢工業大がAI活用の実証実験

» 2019年01月08日 14時08分 公開
[ITmedia]

 コード化された点字ブロックをカメラで読み取ると、行き先を音声で案内してくれる――金沢工業大学工学部 松井くにお教授の研究チームが、AI(人工知能)技術を使った視覚障害者向け歩行サポートシステムの実証実験を1月12日に金沢駅で始める。

KIT 実証実験のイメージ画像

 実験では、25個の点を組み合わせて“コード化した”疑似点字ブロックを使用。被験者はスティック型PCを持ち、Webカメラ、骨伝導イヤフォンなどを装着する。カメラで点字ブロックのコードを読み取ると、AIが画像認識し、行き先や施設の情報などを音声で案内する。「右は駅改札方向です。左はバス乗り場方向です」など、被験者が向かってくる方角によって案内の内容も変わる。

 実験には視覚障害者だけでなく、外国人も参加。多言語での音声案内も検討する。

 松井くにお教授は「2進法の25通りなので、点のパターンは3000万通り以上作ることが可能で、GPSでは難しい細かい精度の案内情報を提供できる。点は塗るだけなので、今後は本物の点字ブロックもコード化したい」と話す。

 金沢工業大学は2018年8月、金沢市とAI技術地域展開検討会を設立。10月に「市民生活へのAI等技術の実装」をプロジェクトの1つとして掲げる金沢市新産業創出ビジョンを策定しており、今回の実験はその一環。

KIT 金沢市新産業創出ビジョン

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