2018年8月、半導体メーカーTSMCの工場がコンピュータウイルスに感染して操業を停止した。これが新型iPhoneの出荷に影響を与える恐れが指摘された。この事件は、新たな脅威を象徴している。
TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)は、世界最大手の半導体メーカーだ。そのTSMCの工場でコンピュータウイルスが発見され、2018年8月第一週の週末、工場の稼働停止を余儀なくされた。この騒動は、テクノロジー業界のサプライチェーンの複雑な性質とセキュリティの脆弱(ぜいじゃく)性を浮き彫りにした。
本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 9月19日号」(PDF)掲載記事の抄訳版です。本記事の全文は、同プレミアムコンテンツで読むことができます。
なお、同コンテンツのEPUB版およびKindle(MOBI)版も提供しています。
同社によると、コンピュータシステムの一部と製造ツールの80%がウイルスに感染したという。
TSMCは感染の原因を「新しいツール用ソフトウェアのインストールプロセス中の誤操作」としており、ウイルスの詳細は明らかにしていないとCNNは伝えている。
この感染を踏まえ、同社は「今回のセキュリティギャップを解消し、セキュリティ対策をさらに強化する措置を講じた」と発表した。
工場は8月6日に通常操業を再開したが、週末の稼働停止は新しい「iPhone」の出荷に影響する恐れがある。TSMCはiPhoneおよび「iPad」用プロセッサの主力メーカーだ。
ロイター通信はアナリストの話として次のように伝えている。TSMCはこのような混乱に備えている可能性が高い。そのため12インチウエハーの出荷への影響は限定的なものになるだろう。また、Appleも製品出荷への影響を減らすため、偶発的事態によってサプライチェーンに遅延が起きる可能性を見込んでいる。
TSMCは、第3四半期に遅れた出荷は第4四半期には回復すると話す。だが、今回の稼働停止により第3四半期の収益は当初見込んでいた84億5000万〜85億5000万ドル(約9382億〜9493億円)から3%減少するとの見通しを示した。つまり、2億5400万〜2億5700万ドル(282億〜285億円)の損失になる。
また、同社は出荷の遅れが予測される場合、
本記事は抄訳版です。全文は、以下でダウンロード(無料)できます。
■Computer Weekly日本語版 最近のバックナンバー
Computer Weekly日本語版 9月5日号 「Android分裂」か?
Computer Weekly日本語版 8月22日号 東京五輪でも活躍!? 5G最新動向
Computer Weekly日本語版 8月8日号 DockerとKubernetesのさらに先
楽天グループが「楽天市場」出店店舗向けに「楽天AI大学」を公開
2024年3月より提供している店舗運営支援ツール「RMS AIアシスタント β版」に加え、AIツ...
中国発AIソーシャル工作のゾッとする実態をMicrosoftがレポート
Microsoftが中国を拠点とする影響力工作の増加についてのレポートを発表した。これは米国...
顧客の応募可能性をレシートで分析 読売新聞が新たな販促キャンペーンサービスを提供
システムインテグレーターのビーマップと同社子会社のMMSマーケティングは、読売新聞東京...