iOSデバイスが搭載する「iBoot」のソースコードが2018年2月、「GitHub」で一般公開された。そのいきさつとiOSのセキュリティに及ぼす影響を解説する。
Appleの「iOS」デバイスに搭載されている起動プログラム「iBoot」のソースコードが2018年2月、ソースコード共有サイト「GitHub」で一般に公開された。ソースコードの流出はどのくらい重大な事態なのか。iBootに対して潜在的にどんな影響を及ぼしたのか。振り返ってみよう。
iOSデバイスが起動する際、プロセッサは即座に「Boot ROM」というROMに格納されている起動プログラムを実行する。Boot ROMはプロセッサ製造の過程で設計され、暗黙に信頼されている。このBoot ROMに含まれるAppleのルート証明書(認証局が自身に対して発行するデジタル証明書)は、iBootを起動するためのプログラム「Low-Level Bootloader」(LLB)を読み込むためのデジタル署名の検証に使う。
iBootは、iOSの最も基本的なレベルで完全性の検証を担う。その後Appleのデジタル署名が入ったソフトウェアのみを読み込み、続いてiOSがフル起動する。iBootのような起動プログラムは、OSの安全性を保つために欠かせない。そのソースコードが一般に流出したことで、iOSデバイスのセキュリティは脅かされるのか。
汎用(はんよう)プログラミング言語のC言語で書かれたiBootのソースコードは2017年、まずソーシャルニュースサイト「Reddit」の、「Jailbreak」(脱獄:Appleの管理下から逃れること)に関するサブフォーラムに投稿された。投稿者が新規ユーザーで、Redditでほとんど知名度がなかったことから、当時はほとんど注目を集めなかった。ところがこれがGitHubに登場するとビッグニュースになった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
クレデンシャル情報を悪用する攻撃から組織を防衛するために、特権アクセス管理(PAM)は不可欠だ。その導入で成果を挙げている組織と、そうではない組織との違いはどこにあるのだろうか。グローバル調査の結果から読み解く。
従来、認証にはパスワードが用いられてきたが、フィッシングなどの高度な攻撃に対抗するのは難しくなりつつある。そこで注目されているのが利便性と安全性を兼ね備えたパスキーだ。本資料では、その移行戦略について詳しく解説する。
Webアプリケーション開発において生成AIを活用する上で、欠かせないのがセキュリティ対策だ。しかし、AIを悪用する高度な攻撃にだけ注力し、既存の脆弱性への対策をおろそかにしているケースは多い。この問題を解決するには、何が必要か。
AIや自動化の波はセキュリティ対策にも訪れているものの、ある調査によれば、「脅威やインシデント対応のプロセスを完全に自動化できている」と回答した担当者は16%にとどまっており、停滞している実態がある。その原因と解決策を探る。
近年、多くの組織が多数のセキュリティ製品をパッチワーク的に導入している。その結果、運用が複雑化し、非効率な状況が生まれてしまった。このような状況を改善するためには、セキュリティベンダーを統合することが必要だ。
混雑や逆光に弱いウォークスルー顔認証、高精度と高速処理をどう実現するか (2025/8/13)
なぜクラウドセキュリティは複雑ではなく「包括的でシンプル」にすべきなのか? (2025/6/13)
「見える化」ではもう守れない アタックサーフェス管理の限界と次世代の対策 (2025/6/12)
中小企業が買うのは信用 L2スイッチ&認証技術で2つの企業が組んだ理由 (2025/6/5)
脱PPAPの壁はこう超える――PPAP文化を終わらせる現実解 (2025/5/19)
なぜクラウド全盛の今「メインフレーム」が再び脚光を浴びるのか
メインフレームを支える人材の高齢化が進み、企業の基幹IT運用に大きなリスクが迫っている。一方で、メインフレームは再評価の時を迎えている。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...