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三菱地所らがロボットベンチャーに出資 自律走行し異常を検知する警備ロボット商用化へ

» 2018年06月15日 21時18分 公開
[ITmedia]

 自律走行ロボットの開発などを手掛けるロボットベンチャーのSEQSENSEは6月15日、三菱地所、システムインテグレーターのTIS、ベンチャーキャピタルのジャフコの3社から計10億の出資を受けたと発表した。歩行者などを避けながら移動し、搭載したセンサーで発熱や異常を検知できる警備ロボットの開発を強化し、18年度中の商用化を目指す。

photo SEQSENSEが開発中の警備ロボット
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 SEQSENSEは、JAXAの小惑星探査機「はやぶさ」や「はやぶさ2」のプロジェクトメンバーを務めた明治大学理工学部の黒田洋司教授らが設立したロボット開発スタートアップ。

 同社が開発している警備ロボットは、独自の3Dレーザーセンサーを使った3次元マッピング技術で周辺の環境をリアルタイムで把握し、その形状から歩行者を判別できるため、人のいる商業施設やオフィスビルなどでもGPSなどを使わずにスムーズに移動できる。また巡回時には正常な状態と比較し、差分から環境の変化を自動検出。例えば人が倒れているといった異常を検知できるという。

photo 警備ロボットの特徴

 AI(人工知能)と多彩なセンサー(サーモセンサー、赤外線センサー、超音波センサーなど)を搭載し、火災の原因となる発熱の検知したり、固定カメラなどでは監視が難しい暗闇や死角の様子を捉えたりすることもできる。将来的には屋外での巡回も可能にする他、AIを使った画像識別技術での不審者検知や落とし物検知といった技術を組み合わせることも検討している。

 SEQSENSEでは今回の出資をもとにさらに開発を進め、実証実験を行う計画だ。実験には協業を発表した三菱地所が協力。実験の場として同社の施設を提供し、警備ロボットの有用性や実用化のハードルを検証するという。将来的には三菱地所が所有するオフィスビルや商業施設、空港などにSEQSENSEのロボットを導入し、外部販売も行うとしている。

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