いまやPC以上に人びとの間で普及したスマホ。PCと違って、「ウイルス対策」などのセキュリティ製品を入れていない人がほとんどですが、実は悪質なアプリを使ったマルウェア攻撃が蔓延しています。
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総務省による「通信利用動向調査」によれば、2017年、スマートフォンを保有している世帯の割合が、PCのそれを初めて上回ったそうです。インターネットへ接続するデバイスの割合を見ても、「スマートフォン>PC」という逆転現象が起こっています。
いまや、日本では多くの人にスマートフォンが普及する本格的な「スマートフォン時代」に突入したと言っていいでしょう。
個人的にも、確かに「ほとんどのことはスマートフォンでできるようになった」と思っています。ただし、文章を書く作業などはPCの方が便利ですから、しばらくはスマホとPCの「二刀流」で使い分ければいいと考えています。
では、こうした状況で、セキュリティに何らかの影響はあるのでしょうか? まずは“安全性”というテーマで、PCの歴史をさかのぼってみましょう。
思えばWindowsマシン、いやMS-DOS時代から、PCはウイルスに悩まされてきました。ネットワークがない時代には、フロッピーディスクを介して感染するウイルス(ワーム)も存在していて、当時から「ウイルス対策ソフト(ワクチンソフト)を入れましょう」と叫ばれていた記憶があります。
Windows 95の爆発的な普及以来、「PCとウイルス対策ソフトはセットで購入する」という考え方が、「常識」として広まりました。また、1年単位で利用権(ライセンス)を買う、いわゆる「サブスクリプションモデル」の普及も非常に早く、スムーズに浸透したと思います。PCを使う側も、20年以上ウイルスと戦ってきた歴史を振り返れば「何らかのセキュリティ製品を常に入れておく」点に異論はないでしょう。
しかし、スマートフォンはそうではありません。おそらく、読者の皆さんのほとんどは、スマホにウイルス対策ソフトなど入れていないのではないでしょうか。確かに、Android向けのウイルス対策製品は出回っていますが、iOS向けの製品に至っては、そもそも見かけません。スマホの利用率が一段と上がっている今、このままでも「安全」を担保できるのでしょうか。まずは現状を見てみましょう。
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