一国のインターネットをダウンさせるなど、引き続き猛威を振るうマルウェア「Mirai」。その攻撃を増幅する攻撃手法が判明し、警戒は怠れない状況だ。他のセキュリティ関連ニュースと合わせて最新動向を解説する。
アフリカ西部の小国リベリアで2016年11月初めに、全国規模のインターネット接続障害が発生した。マルウェア「Mirai」を使った、モノのインターネット(IoT)に対するボットネット攻撃に見舞われたもようだ。同年10月に米国のDNS(ドメインネームシステム)サービス大手Dynが同様の攻撃を受けたときと同じボットネットから、攻撃が仕掛けられた可能性がある。
リベリアでインターネットにつながらないトラブルが大規模に発生したのは、強力な分散型サービス妨害(DDoS)攻撃が同国のインターネットサービスプロバイダー(ISP)を襲ったからだ。これらのISPは1本の基幹インターネットケーブルを共有して全国にサービスを提供している。
数人の専門家が、この攻撃ではMiraiによるボットネットが使われたと指摘している。例えば英国リバプール在住のセキュリティアーキテクト、ケビン・ボーモント氏によると、攻撃に使われた「#14」というMiraiボットネットは、DynのDNSサービスに対するDDoS攻撃を仕掛けた攻撃者によってコントロールされている可能性があるという。Miraiは最近、ハッキングコミュニティーで「Anna-senpai」(アンナ先輩)というユーザーがコードを公開したことで話題となった。
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